大学経営 O04 6月21日 (金) 9:45〜11:45
EMIRや標準化を通じた教育の質保証
講演内容:
私たちの学生を知り抜くために ― 山形大学EM部の真のIRへの挑戦

 エンロールメント・マネジメント(EM)は、科学的マーケティング手法によって大学マネジメント・サイクルを永続させることである。大学におけるマーケティングとは、学生募集を指すのではない。私たちの学生の価値を創造し、学生の価値の最大を実現し続けるための、組織一体となった活動全体を指す。その実現には、学生を知り抜くための大学調査(IR)が重要であり、データを分析するためのITインフラが欠かせない。山形大学では、2010年度より学、生に関する入学前から卒業後までの情報を一貫してトラックし、分析するための「総合的学生情報データ分析システム」構築に着手し、真の大学マーケティングをめざしたEMIRへの挑戦を始めている。

山形大学 エンロールメント・マネジメント部(EM部) 教授
福島 真司 氏


国際規格ISO29990を用いた学習サービスの質保証・向上の取組
〜多様な主体が提供する学習機会の質の保証と学習成果の通用性の確保〜


 グローバル化や情報化の進展に加え、TPPを代表とする国際的な貿易協定などの影響により、人・物・資金・サービスなど国境を越えたやり取りが急激に活性化することが予想されます。
 すでに欧米を中心とした諸外国では、人材の流動化を前提とし、各国の教育や訓練の成果を比較するための様々な共通枠組みを構築しています。また国境を越えた質保証に対するニーズが高まったことを受け、教育や訓練分野を対象とした国際的な規格作りが進められています。
 国内でも4月25日付の中央教育審議会の「第2期教育振興基本計画(答申)」の中で、学習サービスの質保証・向上を図ることを目的とした国際規格ISO29990について特筆されています。本講演では、国際的な規格などを用いた教育や学習サービスの質保証・向上に向けた取組の流れを紹介するとともに、我が国における影響についてお話したいと思います。

早稲田大学 IT教育研究所 招聘研究員
ISO/TC232国内審議委員会 委員長
宮澤 賀津雄 氏