震災と防災 T16 6月8日 (金) 10:00〜11:30
【特別講演】
歴史に学ぶ東南海地震と津波
〜日本各「池」の底に眠る6000年の痕跡〜
講演内容:
 南海トラフ沿岸の名もない池には、過去5000年間の大津波の歴史が記録されてきた。この池に残された津波堆積物を読むことで、将来の巨大地震の発生の頻度と規則性を予測することが可能となった。
 南海地震は100年に一度の単独発生あるいは時間差発生、300年に一度の連動発生さらに2000年に一度の巨大連動があることが見えてきた。我々は3.11まで、「地震」を理解したつもりでいた。それは「既往最大」と表現されることで共通理解が得られたはずであった。ただし「既往」とは、工学的には100年、地震学でも300年であり、1000年に一度の想定はほとんどなされてこなかった。日本列島は火山噴火と地震(付加作用)で形成されてきたことを理解し対処しない限り、これからも巨大災害がさらに巨大化することは避けられない。

高知大学 総合研究センター 防災部門長・特任教授
岡村 眞 氏