大学改革 O20 9月16日 (木) 13:00〜15:00
大学のマネジメント改革
講演内容:
大学のマネジメント改革
大学はいま、急激な市場化と淘汰の嵐の中にある。この厳しい環境に、大学マネジメントが追い付いていないのが現状だ。都市と地方、大規模と中小の大学の2極化が言われるが、真の2極化の分岐点は、このマネジメントが確立・機能しているかにある。マネジメントの中核は、中長期計画だ。しかし問題は、これが浸透し、実行計画が作られ実質化しているかにある。経営、管理運営の在り方、責任体制やリーダーシップが問われている。これは教育分野でも同様で、「学士力答申」が提起する、入り口から出口までの一貫した「教学経営」が求められる。これらのテーマを、事例とデータを踏まえ考えてみたい。

学校法人日本福祉大学 常任理事
篠田 道夫 氏

IRとは何か?基本原理と日本型IRの可能性〜国公私立4大学IRネットワーク事例から〜
最近、日本の高等教育関係者の間で、IRが注目を浴びるようになってきている。IRは、個別大学内の様々な情報を収集して、数値化・可視化し、評価指標として管理し、その分析結果を教育・研究、学生支援、経営等に活用することである。ではなぜ、IRが急速に注目を浴びるようになってきたのだろうか。大学での学習を通じての教育の質の保証を求める動きの急速な進展のなかで、高等教育全体のみならず個々の大学における教育成果の提示が重要な論点となっていきていることが要因である。大学評価をされる大学にとっては、教育成果を測定するにあたって、教育に関するデータをどのように集積し、測定し、そしてそれらの結果を改善につなげていくかということが「教育の質保証」のベースであると認識されるようになってきたことがIRへの関心の高まりに関係している。本報告では、大学間連携の教育面での相互評価をつうじて、IRコミュニティを形成する取組を事例として紹介する。

同志社大学 社会学研究科 教授
高等教育・学生研究センター長
山田 礼子 氏