大学の新しい情報化 T46 6月2日 (木) 15:50〜17:50
最新技術が切り開く新しい高等教育の形
講師:
順天堂大学 教授
坂井 建雄 氏

(株)メタ・コーポレーション・ジャパン

東京大学 情報基盤センター 助手
安東 孝二 氏
講演内容:
プレゼンテーションが切り開く新しい解剖学教育
医学の歴史からコメディカルへ


人体の構造を学習し探究するにあたって、人体そのものを解剖し観察することは、最重要の手段である。しかし人体解剖においては、死者に対する礼節が重視され、死体解剖保存法などによる法的な制約がある。時代によりまた国により少しずつ状況は異なるが、人体解剖にさまざまな制約が伴うことは、古今東西変わりがない。とくにコメディカルの教育に人体解剖をどのように取り込んでいくかが、新しい問題として注目されている。
16世紀のヴェサリウスによる『ファブリカ』は、活版印刷による情報革命を背景に、高度な木版画技術を駆使して出版された解剖学書であり、精細かつ芸術的な解剖図と高度に組織化された本文により、人体構造の世界を人々に強烈に印象づけた。それ以来、人体の構造を表現する解剖図は解剖学を支え、医学の発展に大きく貢献してきた。コンピューター技術による現代の情報革命においても、新しい画像提示技術により3次元的な人体構造を多くの人に簡便に提示することが可能になってきた。16世紀の情報革命に続く、21世紀の新しい情報革命が、解剖学の教育と研究にどのような新たな可能性を切り開いていくのか、とくにコメディカルの解剖学教育との関わりを考察する。

順天堂大学 教授
坂井 建雄 氏

立体視を活用した最新のコメディカル教育
ステレオ立体視可能な、インタラクティブ多次元解剖アトラス「アクティオフォルマ」を使用して、最新の解剖学教育の実際を体験いただけます。
肩関節などの複雑な構造も、「アクティオフォルマ」でリアルタイムに任意断面表示や回転をさせながら納得のゆくまで観察することで、直感的に理解することができます。
最先端の解剖学コンテンツと、52インチ立体視対応リア型ステレオプロジェクタとタッチパネルを活用した講義に最適な最先端のプレゼンテーション技術をご覧いただけます。

(株)メタ・コーポレーション・ジャパン

東京大学における新しい情報教育環境の構築
Mac OS Xを利用して


東京大学では昨年の4月より、新しい情報教育システム(ECCS)の運用を開始しました。東京大学の情報教育システムは学内約3万件のアカウントを管理する大規模ネットワークですが、新システムはMacOS Xをベースとした画期的なもので、大きな話題となり、その後、各地の大学でMacOS Xによる情報システムの導入が進むきっかけになりました。導入の背景と東京大学情報基盤センターの目指す情報システムのポイントを解説いただきます。

東京大学 情報基盤センター 助手
安東 孝二 氏