博物館からの情報発信と教育利用
(ミュージアム)
T78-A2 5月29日 (木) 11:30〜12:30
講演 デジタルミュージアムの未来像〜その必要条件と要素技術〜
講師:
慶應義塾大学 環境情報学部 教授
奥出 直人氏
プロフィール:
1954年生まれ。慶應義塾大学文学部社会学科(1978年)、大学院社会学研究科修士課程 (1981年) 、ジョージ・ワシントン大学大学院アメリカ研究科博士課程 (1986年) 、慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程 (1987年) 。 Ph.D (ジョージ・ワシントン大学、 1986年) 。専門は、メディア環境論、 コンテンツ・エンジニアリング。主な著作に、『物書きがコンピュータに出会うとき・思考のためのマシーン』 (河出書房新社)、『思考のエンジン』 青土社、『トランス・ナショナル・アメリカ』 岩波書店、「アメリカンホームの文化史」 他論文多数。作品として、VR コンテンツ:サンマルコ修道院 (NTT デジタルシアタープロジェクト) (1997) 、VR コンテンツ:システィナ礼拝堂 (凸版ヴァーチャルリアリティプロジェクト) (1998) 、VR コンテンツ:能 「井筒」 (NTT デジタルシアタープロジェクト) (1998) 等。 
講演内容:
1)ミュージアムにおけるパブリックドメイン・データの収集と公開・利用
科学のデータにはパブリックドメインに所属するものが多くある。また公的な研究施設から発表される成果もパブルックドメインである。将来のミュージアムはパブリックドメインのデータを整備して、それを公開し、また他のミュージアムとの相互利用を通して、新しい知識のグローバルアーカイブをネットワークの上で公開・維持・管理することを目的とするべきである。
2)リアルミュージアムとデジタルミュージアムの混合環境
現在デジタルミュージアムは収蔵品のデジタル化に焦点があたりがちであるが、将来のミュージアムは知識として伝達するものはデジタル化し、経験として伝達するものはリアルミュージアムの展示へと展開し、その双方を体験することが大きな特徴になる。
3)博物館の使命:啓蒙から創造へ
博物館は科学を啓蒙する場所から新しい知的創造を行う場所へと変化していく必要がある。
4)マーケティングと文化施設
知的創造行為をサービスとして提供するデジタルミュージアムは、利用者の知的満足度向上をビジネスとするマーケットが待っている。
以上の方向にむけて、様々なデジタル技術を統合したインフラストラクチャーが求められている。