サイエンス T48 6月9日 (土) 16:00〜17:30
【特別講演】
流れ星を追って
〜理科の入り口としての天文現象〜
講演内容:
1972年10月8日、雨あられのように流れ星が降ると予想されたジャコビニ流星群。世紀の天文ショーに心躍らせた少年の私が見上げる夜空には、ただの一つも流れ星が現れなかった。私にとって、まだわからない世界があること、つまり知の限界を実感することになった。出現が予測されても空振りなら、逆に出現が予測されていない夜空に、流れ星が突然たくさん現れることがあるかもしれない。流れ星の観測は機材がなくても肉眼だけで十分だ。これは面白い、自分でもできるはずと思って、いまだに天文学者として流れ星を追い続けている。あの予測はなぜ外れたかを含めて、”わかっていないこと”を知る面白さと教育上での重要性を紹介する。

自然科学研究機構 国立天文台 副台長 教授
渡部 潤一 氏