学校の環境づくり T04 6月2日 (木) 10:00〜12:00
公共施設/教育施設における木材活用と活用方法、地域連携の今と未来
講演内容:
国産材活用への取り組み
公共建築物木材利用促進法が昨年5月に成立しました。法に基づく基本方針により、国は、低層の建築物については、今後、原則木造で整備することとなり、また、低層・高層にかかわらず、木材を利用した内装の推進や、机・棚等の備品についても、可能な限り、木材製品の利用が図られることとなります。
地方公共団体も、国の基本方針に即した方針の策定が期待され、民間事業体が整備する公共施設においても、同様の取り組みの推進が望まれます。
本法律施行後の事例を中心に、教育施設や教育活動、そして地域連携と木材の活用の未来について、お話しいただきます。

林野庁 林政部 木材利用課 利用推進班 課長補佐
中村 隆史 氏

飫肥杉は木材ではなかった。人材だった。
宮崎県日南市は、江戸時代から400年の歴史を持つ林業地。2007年、地元の運河に木製の橋を架ける工事がスタートしたが、単なる公共事業じゃもったいない!との機運が高まり、市民総参加での橋づくりとなった。その活動が契機となり、市役所内にプロジェクトチーム「飫肥杉課」が誕生。飫肥杉の普及を目指し開発した"obisugi design"は、2010年度グッドデザイン賞を受賞。そのほか、商店街やイベント、駅舎、列車、プロ野球キャンプ、市庁舎などの多様なシーンで、飫肥杉を使っていこうとする輪が広がってきている。いま弱い立場にある飫肥杉を何とかしようという活動を、地域を生かしていく力に繋げたい。杉には人と人を繋げる魅力があるから。

宮崎県 日南市 産業経済部
林政課+飫肥杉課(飫肥杉を活用した日南再生プロジェクトチーム)
主査
河野 健一 氏

ティンバライズ 都市の木造学校
2000年の建築基準法の改正により「どこにでもどんな建物でも」木造建築が可能になりました。都市の中に建てられる新しい木造建築は、どのような姿でどのような建物なのでしょうか。
これまでの郊外に建つ木造校舎ではなく、都市に生まれる新しい木造学校の可能性を紹介します。地震に対しても火災に対しても安全にする技術がこうした建物を実現可能にしています。

東京大学生産技術研究所 人間・社会系部門 木質構造学 准教授
腰原 幹雄 氏