サイエンス O21 6月16日 (木) 10:00〜11:30
【特別講演】
宇宙生命は存在するか
〜天文学からのアプローチ〜
講演内容:
この地球以外に生命は果たして存在するのか? 生命に起源にも関わる、この問いには生物学だけでなく、天文学や惑星科学からも挑戦が続いている。生命に材料になる物質は、いったいどこに、どの程度あるか。生命発生に必要な水は、宇宙にありふれているのか。地球のような水の惑星は他にあるのか。太陽系以外の恒星の周りに存在する系外惑星の中には、地球のようにハビタブルゾーン(生命存在可能領域)とよばれる場所に位置する惑星があるのか。このあたりまではずいぶん理解が進んできた。一方、果たして水があれば必ず生命は発生するのか、あるいは、どんな生命でも発生すると必ず進化し、一定の期間の後に文明を持ちうるのか、といった問いに対しては、まだ答えは見えていない。現在の天文学からのアプローチによって、われわれは、これらの謎にどこまで迫っているのかについて紹介する。

自然科学研究機構 国立天文台 天文情報センター 教授 広報室長
渡部 潤一 氏