教育改革 O06 6月17日 (水) 16:00〜18:00
大学における授業改善
講演内容:
医学教育改革の現状

近代以降の日本の医学および医学教育は、明治維新後、現在の高等教育の黎明期に端を発します。その後約100年が経過しようとしている現在は、医学自らの発展と教育学の理論的発展、そして社会的要求により、極めて大きな変革期を迎えています。演者は、20年前に外科医・抗がん剤の研究者として医学の世界に飛び込み、1990年代後半に医学教育の世界に身を転じ、医学生教育の現場に身をおきながら、全学の教育改革、医学教育制度改革に携わっています。
本講演では、医学教育改革の現状と課題について紹介するとともに、医学教育の未来について来場者と語り合いたいと考えています。

九州大学医療系統合教育研究センター
大学院医学研究院医学教育学 教授
吉田 素文 氏


理学療法教育における自生的FD実践〜OSCEリフレクション法をスタートとして〜
2008年度より、「FDの義務化」が施行された。この十年でFDの制度化は進んだが、その一方で、FDの形式化も問題になっている。このような状況の中で、本学の理学療法学科ではFDがきわめて自生的に行われていると考えている。我々は、2007年度に理学療法版OSCEを作成し、それを学生自身によるリフレクションのための方法として活用する「理学療法版OSCEリフレクション法(OSCE-R)」を開発した。このOSCE-Rの実施は、教員集団による新しい教育内容・教育方法の模索へと繋がり、現在、臨床実習との連携を深めた教育内容・方法の改善が行われている。本報告では、OSCE-Rをきっかけとして始まった教員集団の自生的FDを紹介したい。

藍野大学 医療保健学部 理学療法学科 准教授
平山 朋子 氏